昨年の夏以降から空き家が急に増えた
このグラフの調査会社の発表によると、昨年の夏以降、空き家が一気に急上昇しています。
昨年の春に増えた新築賃貸物件が市場に溢れ出た頃と一致しています。
需要(借り手)より供給(貸し手)が完全に逆転した結果です。
この傾向は2、3年前からありましたが、税制の見直しが招いた悲劇のはじまりです。
需要(借り手)ないのに供給過多、新築ラッシュが拍車をかける
首都圏は新築賃貸物件のどんどん建っています。
しかし、不動産会社は入居者がどんどん減っています。
新築物件が5年前に建てた賃貸より安くしても、満室になりません。
とにかく入居者がいないのです。
入居してもらうために、礼金、敷金、仲介手数料、更新料ゼロ、さらに数ヶ月のフリーレント。
投げ売り状態です。
それでも、新築物件はこれから供給されるのです。
「相続税対策は賃貸経営」という罠にハマった
原因は去年実施された相続税の増税。
相続税がかからない基礎控除額が大きく引き下げられたからです。
不動産会社も建設会社や大家さんや地主さんと一緒に相続税対策、節税対策でアパート建設で土地の有効活用をアピールしてアパートを建てた人が急激に増えた結果です。
これはある意味、低金利、マイナス金利が招いた結果でもあるます。
大家さん、物件同士の家賃競争が勃発
そして、アパートの建設ラッシュが起きました。
結果的には需要を大きく上回る供給過多となり、空室率を上げました。
マンションと違ってプレハブメーカーのアパートは工期も短いので、その影響は一気にやってきました。
「節税対策」という安易な言葉だけで、アパート経営に乗り出すことは危険です。
現実は、大家さん同士、物件同士での競争が激化して家賃の下落に歯止めがかからなくなりました。
マイナス金利が融資を加速、10年後、20年後はもっと大変なことになる
それを加速させているのが銀行です。
金融機関のアパートへの融資の増加しているようです。
マイナス金利になって、金融機関の収益は悪化しています。アパートローンは住宅ローンよりも金利が高く収益性の良い貸し出しです。金融機関からみてもメリットある融資を増やしやすくなっているのです。
着工戸数が融資が増えて経済成長には良いのですが、反面、空き家が増えて家賃収入が減り借入返済ができなくなり破綻する大家さんも増えていくのではないかと警鐘を鳴らしていた。
相続税対策で賃貸経営をビジネスにしている不動産会社や建設会社にも責任があるかも知れませんね。
これには早急な何らかの規制が必要ですね、