小さな不動産店が1年で黒字になる方法4-家賃交渉されない物件紹介とは
金なし、コネなし、知名度ゼロのカトウエステート(仮名)が新規独立開業をした。時を同じくして、地元で有名な鈴木住宅販売(仮名)の支店が近所に出店してきた。
両社の営業手法は全く違うものだった。同じエリアで新規開業の2社の1年間を小説風にしました。ただし、登場する会社や登場人物や地名は仮称ですが、実際にあった内容を基にブログで紹介しました。
第4回目は。
大家さんの悩みや抱えている問題をブログに掲載した
ゼロからスタートしたカトウエステートがホームページに掲載した物件は大家さんから『一般』で受託した2物件のみであった。加藤は自社ホームページで、大家さんから空室を受託して1年後に「黒字で生き残る」ことを目標を置いていた。
管理会社の社員だった10年の経験を生かし
・ブログで大家さんの悩み、問題をブログに書き
・FacebookページやTwitterなどのSNSで拡散した。
開業当初は、死に物狂いで毎日2、3記事をブログで紹介し続けた。
一人不動産の強みは人件費ゼロ。反響が無くても大家さんに毎週報告した
ホームページをスタートしてブログを発信して3週間たったが、反響はなかった。それでも、加藤は毎週末、大家さんに「反響はまだありません」と報告をした。
大家さんは「毎週報告してくるのは加藤さんだけ。向こう(鈴木住宅販売)からは今まで聞かなければ言ってこない」と言ってくれたのが、せめてもの救いだった。
加藤は掲載物件ごとにアクセス数を報告していた。一人不動産店のカトウエステートの最大の強みは『人件費ゼロ』を自覚していた。
家賃交渉、値下げされない方法はないものか?
数日後、カトウエステートのホームページに掲載した2物件のうち、1物件が他社で成約になったと大家さんから報告があった。加藤は大家さんに詫びを入れたが「あと1部屋あるから頑張って」とむしろ励まされた。
そして、大家さんは「今回は家賃が1万円も下がって決まったの。仲介業者の家賃交渉に管理会社の鈴木住宅販売も言いなりだった。この家賃が基準になると思うと・・納得していないけど。1年も空いているから、仕方ないと承諾したの」と教えてくれた。
加藤も両者の言い分が理解できるだけに、言葉がなかった。加藤は家賃を下げなくても、入居者を納得させる方法がないかと考えた。
受水槽清掃報告をホームページで紹介して入居者に安心を届ける
加藤は、どこの不動産会社のホームページも、物件紹介だけで、つまり売り込みだけで入居者に安心を届けていないこと感じた。
そこで、管理会社の経験から建物に
・受水槽清掃
・消防点検検査
・高圧洗浄などがある。
大家さんは賃貸物件の維持やメンテナンスに相当の費用が掛かっていることを知っている。そのことを不動産会社はホームページでお客に伝えていないことに気づいた。
大家さんの味方になると決めたカトウエステートは、大家さんと相談して、受水槽清掃をした時の写真と「完了報告書」を預かって画像にしてホームページへ掲載した。
下記の写真
ホームページ開設1ヶ月で3000ページビューを超えた
問い合わせがない日が続いた。それでも加藤は店の電話にスマホを連動させて、会社に電話が入ればスマホにかかってくるようにして近隣の大家さん訪問を続けた。
受託目的の営業ではなく、不動産市場調査や大家さんの悩みを聞いて回った。そして改善策や解決方法を不動産のプロとしてブログに書いた。
特に、地域の入居率、空き家問題、大家さんに不動産会社やハウスメーカーが提案する相続対策やサブリースには十分注意を促すようにブログを書き続けた。ブログ記事は毎日2、3記事を掲載した。
やがて1カ月が経過した。ホームページのページビューが早くも3000PVを超えた。そのアクセスの多くがブログ経由であることがアクセス解析で判明した。
ホームページと同じドメインのブログだからページビューが飛躍的に増えたのだ。その原因は、ホームページの物件を閲覧する人の3分の2がブログ経由であることが分かった。
ブログがページビューを飛躍的に増やした原因だった。ブログ経由でホームページの物件がクリックされているのがアクセス解析の数字で分かった。
加藤は数時間おきに外出先でもスマホでホームページのアクセス数をチェックして、ページビューを増やすためのブログのネタを探し求めた。やがて時間がある時には外出先からもスマホでブログをアップした。
2カ月を過ぎた頃「ブログを読んだけど空室が多くて困っている。相談したいからオタクを訪問したい」と、ある大家さんから1本の電話が入った。
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