「家賃交渉に応じません」で受託を増やす不動産会社
どの店で買っても同じモノなら
道路を車で走っているとき、缶コーヒーが飲みたくなりました。走行車線側にローソンがあります。反対車線の右側にはファミマがあります。あなたはどちらのコンビニで缶コーヒーを買いますか?
普通なら走行車線にあるローソンですよね。缶コーヒーを買うためにわざわざ右折して向こう側で買うようなことはしないと思います。
この場合、缶コーヒーをどこで買うどうかはコンビニのブランドではありません。走行車線で決まります。どこでも同じ価格で買える缶コーヒーですから。
わざわざプレミアム価格で買いたい店とは
では、本格的なドリップしたコーヒーをゆったり飲んで休憩したくなった時の場合はどうでしょうか? 走行車線側にマクドナルド、道路の反対側にスターバックスがありました。その場合はどうでしょうか? 同じコーヒーでもマクドナルドとスターバックでは嗜好が変わり行動も変わる可能性があります。
スターバックスなら道路の反対側までわざわざ行くお客がいるということです。マクドナルドとスターバックスではマーケティングが違います。
■マクドナルのマーケティング
顧客ターゲット:小さな子供と親、若者
価格:ハンバーガー、100円コーヒー
客単価:500円
店内:学生や仲間同士のおしゃべりに最適
■スターバックスのマーケティング
顧客ターゲット:ビジネスマン、中高年、ノマドワーカー
価格:コーヒーショップより高い飲み物、軽食
客単価:1000円
店内:軽快なジャズ、読書や仕事に集中できる静寂感
わざわざ道路の反対側までやってくるお客がロイヤルカスタマーです。会社が順調に経営できるかどうかは良いお客(ロイヤルカスタマー)の数で決まると言われています。
不動産会社の場合も、そういうロイヤルカスタマーに恵まれる店を目指したいですね。
『ウチは他の不動産屋とは違います』をアピールする
売上が落ちてくると不動産は家賃や価格を下げます。それでも売れないと更に価格を下げます。たしかに売る知恵を働かすより価格を下げることは楽です。でもこうなると「終わりの始まり」です。
不動産会社の中には、家賃交渉をウリにする店もあります。家賃値下げや価格引き下げには、近隣との相場の違いや不動産オーナーの意向などの理由と根拠が必要です。理由と根拠をしっかりと伝える必要もあります。多くの不動産会社は大家さんに対して理由と根拠を示しません。だからどんどん価格は下げられていきます。
『家賃交渉OK』は当たり前。『家賃交渉絶対不可』こそ差別化
一方で家賃交渉や低価格に耳を傾けないで大家さんから信頼されて受託を増やす会社があります。「あそこは家賃交渉に絶対に応じない頑固な不動産屋」と言われて良い不動産オーナーに恵まれています。
ホームページやブログで『当社は家賃交渉に絶対に応じません』と表示したら、オーナーから依頼されるかも知れませんよ。そんな不動産会社が好きな大家さんはきっと近所にいるはずです。近所のホームページやブログでそんな宣言をやっている不動産会社ないなら、やってみる価値があります。他社との違いをアピールすることが重要ですから。
更に言えば、家賃や価格を下げるよりリフォームやリノベーションの提案をして家賃を少しでも引き上げる提案と根拠、証拠を提示してみてはいかがでしょうか?
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