赤字から脱出、V字回復した社長の物語
A不動産はそれまで営業していた店舗を解約して駅前から撤退する機会をじっと待っていました。ある日突然チャンスが訪れました。この記事はV字回復したお得意様の実際にあった話です。
「広告費をケチるから反響がない」と社長に詰め寄る社員
A不動産は5年前から売上不振に陥っていました。採用した社員が年々成果(売上)を上げることができなくなっていました。
「もっとポータルサイトの掲載を増やして欲しい。でないと反響がないから営業できない」と社員は社長に毎度詰め寄りました。その社員の言い分は、「反響が無いのは社長がポータルサイトへの広告をケチるからだ」と言うのです。
それでも社長は社員の要望の9割以上の広告費を毎年捻出していました。一方で社長は自身でせっせとホームページでブログを更新していた。
ブログで「地域の不動産市況」や「不動産オーナーの悩み相談」を精力的に発信しました。ブログは好評でキーワード検索で上位表示されていました。
「反響や来店客の大半はブログ経由」と社長は理解していました。何度も社員にブログで発信することを勧めました。がその都度に「営業はブログなんて書いている暇はない」と簡単に拒絶されてしまいました。
社員はあれこれとやらない言い訳をする。「努力や苦労はしたくない。ラクして給料が欲しい。ブログやホームページの更新作業は会社や社長の仕事だ」と。
毎年増え続ける広告費に反比例して売上は減る一方でした。社長は都合の良い社員んお言い分に比例して愛情は減っていきました。
社長は自身の役員報酬を減らして広告費を払っていました。
社員退職の噂で、パートさんも欺いた社長の策略
ある日社長は、社員が独立退職の噂(情報)をキャッチ。社長は素早く下記の3つの策略を立てました。
それは
1、社員の退職と同時に ”閉店宣言” を告げた
2、現在の駅前の店舗を解約して撤退する
3、店舗から徒歩20分の自宅へ不動産免許を移転する
A社長は会社を立て直すことにしました。
うわさ通り社員は退職し、社長は上記を3つを速やかに実践しました。
駅前店舗撤退、人件費、広告費年間1300万円の削減したら黒字に
A不動産のV字回復の始まりです。社員が退職して駅前店舗も解約した一年後は?というと。
長く続けてきたブログでホームページへの集客が順調になり毎月3〜5件の成約ができるようになり、駅前店舗と駐車場の賃料と光熱費が年間400万円、社員の給料が年間500万円、広告費が年間500万円と年間1400万円強の経費を削減できました。
自宅店舗での売上は前年の約半分以下になりましたが、家賃、人件費、広告費などの経費を差し引いても役員報酬は以前より3倍に増えて経営は安定しました。何よりも社員へ気遣いのストレスから解放されました。
人手不足は大手だけ、小さくて身軽に安定経営を
A社長は言います。世間では人手不足と騒いでいるのは大手不動産会社だけ。もうすぐ不動産不況とIT化の波が押し寄せて中小零細不動産会社の多くは経営が立ち行かなくなる。
先行きが不透明なこれからは人手が足りなくてもむやみにスタッフを増やしてはいけない。スタッフは育つまで最低でも5年は要します。人は育てても辞めてしまう。その繰り返しに耐える体力と資金力がなければ経営は難しい。
人や店舗を増やすことは経費負担が増え経営の悪循環を起こします。大きな成長を目指すより、借金をしないで地道に安定した経営をして生き残ることが大事です。
そんな小さな不動産会社こそインターネットという『飛び道具』をじょうずに活用すれば自社の強みをお客に知らせることができます。経費が少ない身軽な小さな会社の方が不況に耐えられます。

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