今は独立開業しない方がイイですか?
景気が良いのか悪いのかよくわからない今日この頃です。
こんな時に独立開業の相談をいただきます。
11月に退職、12月に転職したA氏。不況で本社が人員削減の指示
昨年11月に中堅の会社を退職したA氏の場合です。
A氏は2年前から転職を考えて準備していました。最近の人手不足とAさんの営業力を見込まれて、12月に前職より大きな会社へ転職しました。
将来を期待され、大きな希望と志を持って転職した会社ではつらつと働き始めました。入社ひと月目の12月は前職でお世話になったお客様や取引銀行などを挨拶回りをしました。
年が明け、新会社へ移って3ヶ月目の2月も終わりかけた頃です。世間を震撼させた忌まわしい出来事、コロナショックが起きました。
当初はコロナショックはすぐに収まるかと思われていましたが、事態は長期化へと思わぬ方向へ向かいました。A氏の会社は顧客への営業や訪問が自粛になりました。
A氏の会社では事態を打開するために連日会議が行われていました。ある日、会議に出席していた上司から思いもよらぬことを聞かされました。
その上司の言葉にA氏は声を失いました。会議で決まった事とは「〇〇%の人員削減」、つまりリストラだったからです。
真っ先にリストラされるのは試用期間中の人?
最初A氏は「転職したばかりだから自分は大丈夫だろう」と考えていたそうです。業績が好調な時の企業ならそうだったかもしれません。
しかし先行き不透明な状況に陥った時の企業は冷たいものです。だから人員削減などのリストラには特に神経質になります。
能力が低くても、成績が芳しくなくても長年在籍した社員をクビにするのは難しいです。それならたとえ優秀であっても試用期間の人の方が圧倒的に辞めさせやすいのです。企業は面倒なことはしたくないのです。
試用期間6ヶ月のA氏は真っ先にリストラの最有力候補になってしまいました。妻と子供2人を抱えて動揺しています。
コロナショックの影響で日本は今までに経験したことが無いような不況になるでしょう。こんな時はよほど実力と潤沢な資金がなければ会社を辞めてはいけませんし、独立開業なんて絶対にやめておいた方が良いです。
かつて経験したことがない不況に見舞われる
日本はこれから間違いなく不況になるでしょう。それもかつて経験したことがない大不況です。
景気が悪いのに物価が上がるスタグフレーションです。原材料が無くてモノが生産できずに物不足が起きてインフレが起こる。
通常インフレは好景気に起きますが、今回は「不況時の物価高」がやってきます。これが起きると経済対策も打つ手無しです。
かつて日本はこれに近い不況を2度経験しています。
・昭和恐慌(1927年)
・ドルショックオイルショック(1973年)
です。
さすがに昭和恐慌は分かりませんが、オイルショックは私の父は石油採掘会社で勤務していたこともあり、当時の不況ことはかなり鮮明に記憶にあります。
このような時は株式市場が最初に動きます。投資家はまず最初に株を売って比較的安全な現金を得ようとします。すると株が下落し株式市場は大混乱します。
次に借金があり返済を抱える不動産所有者は借金返済のために抵当権が無い不動産を叩き売って借金返済に充てます。不動産相場の下落が起きます。
そして金相場が急騰します。比較的に安全な(今回は分からないが)ドルが買われます。
やがて不況でありながらモノが不足して物価高がやってきます。不況時の物価高、スタグフレーションが起きます。最悪な状況が起きます。
一度このスパイラルに陥ると、経済がうず潮やブラックホールに飲み込まれるようになります。どんなに政府や日銀があの手この手を打っても効果は限定的で次々と景気が悪化します。今までに経験したことが無いような不況が襲ってきます。
まだ辞めていないなら、しがみついても退職しない方がイイ
もしまだ退職していなければ、会社にしがみついてでもイイから辞めないでください。今のうちに実力をつけて、資金を増やしてその時が来るまでじっと待ちましょう。
こういう時は新たな投資と借金をする買いものはしないこと。可能なら早く借金返済をして身軽になる以外に方法はありません。
政府が主導する公的融資ですが、たとえ無利息でも保証協会に保証料を払う金融機関からの借金です。借りた金は返さなければいけません。もし他に何らかの返済があるなら借りてはいけません。後できっと後悔します。
それでも、もし辞めてしまって独立開業するなら腹をくくってブログで集客することをオススメします。
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