不動産会社の経営者の悩みの原因は家賃保証だった
「もう家賃保証は限界」と語る社長から報告がありました。聞いた私自身は、まだ家賃保証をやっていたのかと驚きました。
社長とは10年以上前にお会いしました。10年前にも家賃保証をやめるかどうか相談でした。
15年間の家賃保証で、3000万円以上の赤字を垂れ流した
リーマンショックが起きる前の2005年ことです。A社が賃貸マンションの建設を受注する際の条件が家賃保証でした。
その地域は、新たに完成した私鉄や地下鉄などで人気になりました。とにかく管理戸数を増やしたかったA社長は、他社が家賃保証に消極的になる中で建築の受注と賃貸管理を受託しました。
ただ完成時期が夏の7月だったため、満室になるには2年近くかかりました。3年後、リーマンショック、近隣に続々と完成する新築マンションに埋没して、その後はほとんど満室になることがないまま、今回コロナに見舞われました。
15年間の家賃管理で、1棟で総額3000万円以上の赤字を垂れ流し続けたそうです。そしてオーナーと協議を続けた結果、この12月末で家賃保証と管理委託契約を解除することになりました。
銀行からの借入で家賃保証を続けた
10年前に、すでに5年間の家賃保証で経営が苦しくなっていたA社長にお会いしました。その時に”家賃保証を続けるか、または銀行から借金をして家賃保証を続けるかどうか”と話を聞きました。
家賃保証で会社経営が苦しくなっているなら、私はA社長がオーナーに正直に話し合って家賃保証はやめるべきではと伝えました。その後はお会いすることなかったので、てっきり家賃保証は解除しているものと思っていました。
10年前、すでに家賃保証が会社の経営を圧迫していると聞いていましたので、その後、金融機関から融資枠いっぱいの借入でここまで持ちこたえてきたそうです。この10年間は大変だったと思います。
当初の契約で家賃保証を解除出来なかったそうです。A社長からご報告をいただいて、「ほっとしているけど、これから会社を立て直すのはもっと大変」と話していました。
資金力がない零細不動産店に、家賃保証、サブリースは危険
小さな不動産会社が家賃保証やサブリースをするのは危険です。景気は5年から10年周期で上下します。資金力が乏しい小さな不動産会社は要注意です。
特に先行きが不透明な時期は、家賃保証を条件で建築や管理の受託をするには注意が必要です。超低金利時代ですが、借りた金は返さなければいけません。もし仮に金利がゼロであったとしても、これから間違いなく不動産の需要が増して景気が良くなって売上が上がるなんて誰も予測不可能です。
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