売上が見込めて、返済の見通しが立たなければ借金はしない
借金をすると借りた時は嬉しいのですが、必ず返済が待っています。
当たり前ですが、借りた金は返さなければなりません。一度借入をすれば、ほとんどの会社は返済途中でお金が足りなくなり、さらに借入をします。
その時の返済はもっと短い返済期間になり、前の返済と新たな返済がプラスになって、返済は以前より増えて苦しくなります。どんなに利息が低くても、それを繰り返すと自転車操業におちいり、借金まみれとなっていずれ会社は破綻します。
それが借金の仕組みです。
根性や気力で借金返済は無理、何がなんでも借りない強い信念
30年以上前のことですが、建設会社で経理をやっていた頃、ある日突然にメインバンクの担当者がやってきて、「新たな融資の条件として、今貸している半分を返してくれ」というのです。いわゆる「貸し剥がし」というやつです。
それまでは銀行から評価されているから借入できたと、こっちが勝手に思っていたのですが、その日を境に信頼関係は崩壊しました。それはできないと何度頭を下げても、首を横に降るばかりでした。慌てて他の銀行からの借入を手当てして何とかその場をしのぎました。
そのやり方に怒ったメインバンクは、今度は全ての融資の返済を迫ってきました。こちらは貸し剥がしに対抗して取った手は「返し渋り」でした。
それまでは毎月、元金+利息を返済していましたが、それ以後は返済表を元に毎月利息だけを返済しました。銀行はごちゃごちゃ言ってきましたが、ない袖はふれないので、まあ大丈夫でした。
銀行は利息で食っているので利息さえ返済していれば、そんなに文句は言わないことが分かりました。その時思ったことは、借金は根性や気力で返済するのは無理だと言うことです。借りて苦しむくらいなら、会社を畳む覚悟で無借金を貫く。
何が何でも借りないと言う強い信念が大事です。
銀行員とは会わない
銀行の人は何かと社長に会いたがります。(お金に困っている会社ではなく)元気そうな会社を見つけては、決算書を見せろ、保証協会の枠を抑えろと迫ってきます。
銀行は困っている時に助けてくれる救世主と思っていました。この甘い罠に引っ掛かってはいけません。銀行は晴れの日に傘を貸して、雨が降れば傘を取り上げます。銀行はそうやって今まで生き延びてきたのです。
無借金経営を貫くなら、銀行員とは絶対に会わないことです。
金が足りない時は社長銀行が会社に融資する
どうしても会社に現金がなくなったら、その時は社長が会社に貸し付けをすれば良いのです。つまり社長銀行です。
利益がでたら、社長は役員報酬をたくさん取ればいいのです。社長は日頃からお金を無駄遣いせずに貯蓄して、会社の資金繰りが苦しくなったら社長が会社に融資する仕組みにします。
その後、資金繰りが安定したら会社から返済してもらいます。社長銀行なら返済を迫ることも貸し剥がしをすることもありません。
前期の7割の売上で、返済できる見込みが無ければ借金はしない
どうしても借入の必要がある時の目安は、前期の7割の売上になっても黒字になって、返済の見通しがあると判断した時に限って短期(1年から2年)で借入します。
でも銀行は返済をしっかりやっていれば優良貸付先として、さらに融資を迫ってきます。上記のように、銀行は元金が売上で利息が利益です。
だから借入を返済すると、元金まで減ってしまいます。つまり銀行の売上が減ることになります。銀行は売上を減らすわけには行かないので新たな融資を迫ってきます。
借りるほうも、信頼関係ができていると勘違いして、次の融資を断るのも面倒になります。銀行とお付き合いに 慣れてしまったので仕方なく借ります。こうなったらもう抜け出せません。
だから借入はしない経営が一番イイのです。あくまでも私の考えです。
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