銀行から決算書を見せて、と言われたら
「こんな時期でもありますので、いざとなっても慌てないように保証協会の融資枠を確保しておきませんか? まずは決算書を見せてください」
名刺1枚出されて、面識も付き合いもない貴方になんで決算書を見せなきゃいけないの。と口にはしませんでしたが、顔で笑って心の中でつぶやきました。
決算書は他人に見せてはいけない
いつの世も、借りる人より貸す人の方が上から目線です。それも保証協会の後ろ盾があって貸すお金です。大して苦労もリスクもない融資に対して、なんでそんなに強気なのか不思議です。
昔はいろんな経営者の方から、銀行に楯突かない方がイイよと教えられたものです。でもそれは借り入れすることを前提だった時の場合です。
何が何でも借り入れしない。借金なんてしないと強い意志を持って決めて起業したなら、途中でどんなに大変なことがあっても自力で乗り越えることができます。
借金して商売を続けても、返すアテがない借金をした場合はいずれ破滅します。その場合の借金は一時的な延命処置に過ぎないからです。
こういうことを書くと、いろんな方から嫌われ叱られますが。
他人に預金通帳や金庫の中を見せてくれと言われたら?
不動産会社の社長にこの話をすると、決算書は見せる必要がないということに驚きます。よく考えてみてください。
もし誰かに預金通帳を見せて、と言われたら見せるでしょうか? 有価証券や不動産の権利書が入っている金庫の鍵を他人に渡すでしょうか。 そんなことは絶対にしないでしょう。
今でも創業以来毎年黒字経営を継続してしているお得意様の社長様は、「決算書は自分と税理士以外には絶対見せない。取締役や役員にも絶対に見せない」と言っていました。
だから決算書は簡単に他人に見せてはいけないのです。
第三者に決算書を見せる義理はない
もしメインバンクで借り入れしている場合、他行の融資担当者が「新しい取引をしたいから決算書を見せてくれ」とやってきます。そんな時でも決算書は気軽に見せてはいけません。
他行からすれば、メインバンクがどんな条件(利率)で貸し出しているかを知りたいだけなのです。超低金利時代の今は、そんなに大きな条件の差はありません。さらにメインバンクに嫌われる原因にもなります。
誰にも決算書を見せる義理はありません。だからどんな場合でも、本当に借入れする場合以外は決算書を見せてはいけないのです。

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