自分ブランドで顧客を惹きつける
「ああ、今日もダメか。このままでは2ヶ月ほどで会社は破産する」
私はそんな重い気持ちで大阪駅始発の新幹線の自由席に乗り込んだ。でもこの日、名古屋駅から乗ってきた一人の若い営業マンとの出会いが、救いようのないほど追い込まれた会社の危機を救ってくれたのです。
商品や行動以外に”あること”で相手を引き付ける
物語の舞台は、私が大阪市にある不動産会社を訪問してドリームXのデモ営業のための日帰り出張した時のことです。朝6時前に自宅を出て東京駅発の新幹線に乗って新大阪駅から地下鉄を乗り継ぎ目的のA不動産を訪問しました。
ドリームワンを設立して10年くらい経った2013年の暑い夏の日でした。当時私は不動産会社がホームページを活用して集客するドリームXを売り込むために、不動産会社からデモ依頼があれば、全国各地を移動していました。その日もデモ訪問のための日帰り出張でした。
2000年頃から不動産会社は自社でホームページを運営するようになり、2010年頃には7割以上の不動産会社がホームページを持つようになりました。その頃には不動産会社のホームページも飽和状態になっていました。ドリームXも例外ではなく、それまで順調だった導入件数も下降気味になりました。
約2時間、ひと通りデモを終え、訪問先の社長や従業員の顔を見て「いかがですか?」と聞きました。返ってきた言葉は「検討します」でした。私は経験上それは断りの言葉であると理解でました。
私は東京へ帰るための来たルートと同じ地下鉄を乗り継ぎ新大阪駅に向かい新幹線の自由席に乗りました。朝が早かったことと営業を終えてホッとしたこともあり、私は新幹線に乗って間もなくぐっすり眠ってしまいました。
名古屋駅へ停車したことも気付かず忘れ寝込んでいた私は隣の席から漂う不思議な“ある香り”で目を覚ましました。私の隣の席には、私より10歳くらい若く背筋をピンと伸ばして座っている男性がいました。
実は私が目を覚ました不思議な“あること”こそが、その後の私の営業人生に大きな変化のきっかけになりました。その”あること”とは
自分ブランドで相手を惹き付ける
それは彼の身体やスーツから、とても良い香りがしたのです。その香りには何とも言えない爽やかさと安らぎ、つまり安心感を感じました。
私は新幹線に揺られながら隣にいる若い男性のとても良い匂いが気になって仕方ありませんでした。男性は手帳を開いて仕事のスケジュールを確認しているようでした。私はその男性に香水の名前を聞かないと後悔すると思うようになっていました。
でも男性とはいえ見ず知らずの人には言い出せません。静岡駅を過ぎた頃、私は思い切って「いい匂いですね。どんな香水ですか?」と聞きました。
すると男性はやさしい笑顔で有名ブランドと香水の名称を教えてくれました。私はそれが女性専門の香水のブランドと思っていたので、男性用の香水があることを初めて知りました。
するとその男性は、「実はこの香水を着けるようになってから営業が上手くいくようになったんですよ。これはかなり高価ですが、価格以上の価値は十分にあります。今日のように出会った方に、“いい匂いですね”とよく声をかけられますから、それがきっかけで営業が上手くいくようになりました」と笑顔で話してくれました。
私は手帳にその香水の名前をメモしました。
”匂い、香りで好感度を上げる”という武器を手に入れた
- 自宅に戻った翌日曜日にデパートへ行って、その香水を購入しました。高額な香水でしたがなんのためらいもありませんでした。私は仕事の時はその香水を着けるようになりました。
香水を着けてその後どうなったかというと、お会いした方から「いい匂いですね」と言われるようになりました。新幹線であったあの男性が言っていたように香水を着けて以来、成約と売上が上向きました。
今は対面営業はしていませんが、私は相変わらずその香水を着けて出社しています。営業は提供する製品商品は当然大切ですが、それ以上にその人の印象というのも大事だということを教えてもらいました。
あの男性は新横浜駅で降りました。その時は名刺や名前の交換はしなかったのですが、私は今でも彼に感謝しています。
あくまでも私個人の感想ですが、もしあなたが接客や対面で人に会う仕事をしているなら、たとえ人に会う仕事でなくても匂いに気をつけるとビジネスが順調にいくかもしれません。
この物語の本質は、“香りで好感度を上げる”というアイテムを武器を手に入れることです。これによって自分の自信になり、会社を少しでも変えることができるならやってみる価値はあるはずです。
ちなみに私がプライベートの時は、南国の花”プルメリア”の香りの香水をつけています。
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