売上が増えたけど、今までより苦しくなった事例
「売上が増えているけど、年々苦しくなっている」という話を近頃よく聞きます。
それまで順調だったのに、あることをやったために一気に経営が苦しくなることがあります。そうならないようにするには。
繁忙期を前に社員2名、パート1名を採用
4、5年前までは収支がトントンだったA社は、新型コロナの影響で売上を落とすことはありませんでしたが、収支のバランスが悪くなり、直近2年間は赤字に転落したそうです。
新型コロナが起こる前は売上も収支も順調でした。当時は不動産売買や賃貸仲介も好調で景気の先行きも見通しが明るかったので、金融機関の借り入れと従業員を採用しました。
景気の後押しもあり、採用がむずかしい中で経験者2名とパートさんを1名採用しました。体制を整えてスパートをかけようとした矢先に新型コロナの直撃を受けました。
これは新型コロナの影響だけではありません。どこにでも潜んでいる危機です。
人件費と広告費で会社を苦しくしないためには
採用した2名の営業は電話が鳴れば徹底的に追客して成約する『できる不動産営業マン』のふれこみでした。その2名の要望でポータルサイト出稿を従来の2倍以上に増やしました。さらにオプションを付けて広告費は従来の3倍にもなりました。
A社長は心配しましたが当分の間は様子を見ようと心に決めました。そして3ヶ月、6ヶ月、1年と時間が過ぎていきました。
体制を変えたことで売上は上がったのですが、広告費、人件費の出費が以前よりかなり大きくなり、当初予定したような収益を上げることはできなくなりました。
売上が増えるほど、赤字になる構造にしないために
採用した2名の社員は歩合給のため、売上が増えるほど給料が増えます。さらに一定の売上を越えるとボーナスを支給するオプションがある歩合給でした。
2人の営業が頑張ったことで仲介手数料は増えました。しかし営業が要望する広告費は従来の1年分の広告費を短期間で出費するほどでした。
「売上が増えたけど、会社は前より苦しくなった」と社長様はこぼします。人件費、広告費が大幅に増えた分を売上増ではカバーしきれない構造になりました。
本来、社長の仕事は今日明日の売上ではなく1年2年先の経営です。 以前からいる2名の社員は果たしてどう思っているのでしょうか? 今後も上手くやっていけるのでしょうか?
今いる従業員がベストメンバー
ドリームワンのお得意様の中には、社長たった一人で社員数名を抱える会社よりに活躍している一人社長の会社がかなりあります。不動産会社はやり方次第でたった一人でもやっていけるビジネスです。
零細企業にとって人で不足は深刻です。でも従業員が少ないから、人手が足りないからと経営が伸びや悩むケースもありますが、一人社長の不動産会社は一人社長であることをむしろ楽しんでいる場合もあります。
人を採用する場合、採用する人は誰でも言い訳ではありません。大家さんや不動産オーナー、同業他社と上手く打ち解けて信頼される人が大前提です。人手不足で困っている会社でも今をなんとか凌いで行けば、2〜3年後は違った展開になることもあるでしょう。
どんな時でも今いる従業員がベストメンバーです。今いる従業員を大切にして、目先ではなく数年先まで見据えて耐え忍ぶことが大切です。
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