5年で管理戸数を25%も減らした不動産社長の考え方
ホームページのリニューアルをご検討されている地元で長く不動産会社を経営する管理会社様からご相談がございました。
この会社様は数年前まで95%以上の入居率をウリにしていました。しかしホームページの更新が後手後手に回って、この5年間は毎年1〜2%ずつ空室率が増えるようになりました。
今では70%前半の入居率になってしまったと悩んでいました。でも対外的には入居率を95%を宣言しているそうです。
管理戸数が毎年1〜2%ずつ減った理由
A社とします。A社は比較的にその沿線では有名な老舗管理会社様です。近頃は売買にも力を入れはじめています。
それまでは物件だけを紹介するホームページでした。従来からお付き合いがあった大家さんが代替わりして少しずつ管理が他社に抜かれるようになりました。
問題はここからです。A社のホームページの更新と運用はパートさんです。近年はパートさんは入れ替わりが激しく、その都度ホームページの操作指導が大変になりました。結果この数年はホームページの更新がほぼできない状態が続いていました。
A社は10年前は管理戸数3000室の地元では管理件数1位、2位を争う管理会社でした。月日の経過と共にホームページの更新がおろそかになり、やがて大家さんからも、「空室をしっかり募集しろ」「いつまでも空室が決まらない」とクレームが絶えなくなりました。
そしてとうとう空室が増えるだけでなく、大家さんも離れていき管理物件も少なくなってしまいました。空室を解消するためにポータルサイトに多額の費用を投入しました。
どんなにポータルサイトに広告費を投入しても入居率は毎月約1〜2%ずつ管理室数は下落して、坂を転げ落ちるような状況が続きました。
そこでホームページのリニューアルの相談でした。
ホームページをパートさん任せにした結果
以下がA社長と私のやり取りです。
弊社:物件を入力するパートさんは実際に物件をご覧(内見)になっているのですか?
A社長:物件詳細はマイソク(物件配布図面)で、写真は営業担当や数年前に他の従業員が撮影した写真を載せている。
弊社:今後もホームページの入力はパートさんに任せるつもりですか?
A社長:ホームページの物件登録なんてパートで十分。物件を入力さえしてくれたらそれでいい。
パートさんが悪い訳ではないけど、実際に物件を見ている人、知っている人が入力した方がいいとご提案すると。分かっているけど人がいない。A社長はホームページの入力はパートさんにまかせておけばいいという考えでした。
従業員が10人を超える不動産会社なのに。A社に必要なのは、ホームページをリニューアルする前に、ホームページへの取り組み方を変えることと運営体制作りです。
ホームページを打出の小槌や魔法の玉手箱と勘違い
その1ヶ月後。A社長からの下記のご質問がございました。
オタクのホームページなら
・月に何件のお問い合わせがあるか?
・月に何件成約できますか?
・月にいくら売上が増えますか?
・そのホームページはグーグルに上位表示されますか?
「ホームページなんて、パートで十分だ」と言う社長の言葉に反論することなく、上記の質問にも答えることなく、A社との関係は終了しました。A社長はホームページをナメている。これが私の答えです。
インターネットという飛び道具は使う人、使い方次第
ネットでしか集客できない時代です。電子重説、ネット契約が当たり前の時代です。いずれは業法も変わり、規制緩和も進み不動産会社は店舗を構える必要も無くなるでしょう。
あと数年から10年も経てば間違いなくそうなるでしょう。今はそのための準備過程でもあります。
インターネット、ホームページ、時代の変化をナメてはいけません。 インターネットは「ツール」であり「道具」でありあくまでも「手段」に過ぎません。
そしてホームページは「店舗」です。
しかし、このインターネットと言う「飛び道具」は持っているだけでは価値も効果も発揮しません。使う人、使い方次第で、いかようにもなるものです。
だから不動産会社の社長は、スマホ、パソコンが苦手なんて言っていられないのです。
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