モンスター入居者にどう向き合うか
不動産管理はクレームビジネスです。すぐキレるモンスター入居者が多くなり、そんな入居者にどう立ち向かうかという内容です。参考までにお読みください。
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エアコンが使えない。リモコンの電池を持って来い
「エアコンのリモコンを入れても涼しくならない。暖房にならない。今すぐ見に来い」と管理会社に1本の電話が入りました。管理会社の従業員が入居者にイスを用意して、「リモコンを使わないで、直接のエアコンのスイッチを入れて欲しい」とお願いすると使えるようになりました。
他の管理会社にも同様の電話がありました。入居者にリモコンの電池交換をお願いすると、「エアコン付きの物件だから電池は管理会社が持って来て交換するのが当たり前だろう」と突然キレてしまいました。
契約時の、利用規約で「エアコンのリモコン電池は入居者が交換する」と記載されて、同意のサインをもらっていると説明しても「聞いていない。利用規約なんて見ていない。サインした記憶がない」の1点ばりです。
結局管理会社は単三電池2本を持って入居者の部屋に行って電池交換をしたそうです。100円ショップなら乾電池が4本も買える時代に、どうしてキレるのか理解できません。
契約時に説明してサインまでもらっているなら、もう少し管理会社は入居者に強く言っても良かったと思います。管理会社としてはいかがですか?
テレビが映らない。早く直せ、水曜日に勝手に休むな
水曜日の朝、入居者から「テレビのスイッチを入れたらテレビが映らない。早く直してくれ」と管理物件の入居者から管理会社の緊急連絡電話に連絡がありました。
管理会社の社長は、まずは同じ建物の他の入居者にテレビが映るかどうか確認しました。他の2部屋は問題なく映っていました。
他の部屋では問題なく映っていることを入居者に伝えると、「テレビが映らないのは建物に問題があるから、とにかく今すぐ来い」というのです。
他の部屋は映っていることと、水曜日は定休日と伝えると「定休日だから休みというのはオタクの勝手だけど、管理費を払っているんだからこっちまで来るのは当たり前」ときれたです。管理会社の社長は仕方なく入居者の部屋を訪れました。
急いで現地へ行ってみると入居者が笑顔でリビングでテレビを見ていた。あれだけ騒いでいたのに。すると「さっきはゴメンね〜。先日ケーブルテレビ(CATV)を契約して、その会社に聞いたら受信機の不具合だったらしい。受信機を再起動したら直ったよ」と言うのです。
どうしてこんなことでキレるのか不思議でした。
モンスター入居者には、き然とした態度で。でも決して怒らない
キレるモンスター入居者は各地に出没します。困ったものです。このタイプの人は最初は低姿勢の場合が多く契約時には判別しにくいからです。
入居者が減って物件余りの時代ではキレやすいタイプの入居者は増える傾向にあります。いわゆる”調子に乗っている人”です。
このような入居者が増えることを想定して、管理会社は重説、契約書の他に「利用規約」などの書面を作って印鑑やサインをもらっておくといいです。また定期借家契約などを採用する手もあります。
しかし、こちらは決して
・興奮してはいけません。
・入居者の言い分に耳を傾けます。
・対面でも電話の場合でも、とにかくうなずいてあげます。
・最初は言い返さないことです。
・徹底的に相手の言い分を全部吐き出させます。
ここは時間をかけます。相手に冷静になってもらうための時間稼ぎです。とは言っても数分から30分くらいのはずです。
相手の言い分が途切れたら、おもむろに
・こちら側のできること、できないことを冷静にゆっくり口調で伝えます。
相手が興奮すればするほど、こちら側の冷静さが大切です。つまり間(ま)を取ることです。
そして、
・結論はその場ですぐに出さず、
・あとで伝えるとか、
・大家さんに確認してから連絡する
・別の人(弁護士など専門家)から連絡させる。
ことを急いだために、あとでこちらが困ることが無いようにしておきます。
クレーム対応の4原則は
・時間を変える
・場所を変える
・人を変える
・決して「怒らないこと」
・「興奮しないこと」です。
怒りは罪、怒ったら負けです。
いずれにしても、キレやすいモンスター入居者は厄介です。だからこそ管理会社は冷静に毅然とした態度が必要です。
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